バイナンスがCircle株を1億ドル取得、USDCの5年契約を結び直し
大手取引所のバイナンスが、USDC発行元のCircleに1億ドルを出資しました。あわせて、USDCの普及を進める5年間の契約を新しく結んでいます。
この記事の要点
- バイナンスはCircleの株式約123万7000株を1株80.84ドルで取得した(出資額は1億ドル)
- Circleは、預かり残高に応じた報酬をバイナンスへ毎月支払う
- バイナンスは最長2年間、取得した株を売れない約束になっている
何が起きたか
米ドル連動型のステーブルコイン「USDC」を発行するCircleが、大手暗号資産取引所バイナンスに自社株を割り当てたことが、米証券取引委員会(SEC)への届け出で分かりました。9月17日付で、CircleのクラスA普通株1,237,011株を1株80.84ドルで発行しています。金額にすると1億ドルです。
取引前の市場価格より割安な値段での割り当てでした。ニューヨーク証券取引所に上場するCircle株(CRCL)は、届け出が明らかになった前日に94.29ドルで取引を終えています。
契約の中身
- 契約期間は5年。2024年11月と2025年8月に結んだ契約を置き換える
- Circleは、同社のウォレット基盤を通じて保有されるUSDCの量に応じて、毎月の報酬をバイナンスに支払う
- バイナンスは自社サービスでUSDCを広める取り組みを追加で行う
- バイナンスは最長2年間、株の売却や担保差し入れをしない(議決権は持つ)
なぜ注目されるのか
ステーブルコインの世界では、テザー社のUSDTとCircleのUSDCが2強です。取引量の大きいバイナンスとの結びつきが強まることは、USDCが使われる場面を増やす動きとして受け止められています。
一方で、発行元が取引所に報酬を払って普及を進める仕組みは、利用者から見えにくいお金の流れでもあります。ステーブルコインは「1ドルと交換できること」が信頼の土台なので、発行元の準備資産や、どんな契約で広められているのかを知っておくことが大切です。
日本の読者にとって
日本では、ステーブルコインは資金決済法のルールのもとで扱われ、発行や仲介ができる事業者が決められています。海外で大きな契約が動いても、日本国内で同じように使えるとは限りません。ニュースは「海外のステーブルコイン勢力図の変化」として読むのがよいでしょう。
なお、ステーブルコインの発行元は、預かったお金を国債などで運用して利益を得るのが一般的です。発行量が増えるほど運用の元手も増えるため、取引所のような大口の利用先を確保することは、発行元にとって大きな意味を持ちます。今回の出資と報酬の仕組みは、その競争がどれだけ激しくなっているかを示す例と言えます。利用者の立場では、便利さの裏にある仕組みにも目を向けておくと安心です。
もとにした報道
- Cointelegraph「Binance takes $100M stake in Circle under expanded USDC deal」(2026.09.22)
海外の報道をもとに、3-NEWS編集部が日本語で独自にまとめています。
この記事は情報の整理と学習のためのもので、特定の暗号資産・金融商品の売買をすすめるものではありません。暗号資産は価格の変動が大きく、損失が出る可能性があります。